やくざいしめんきょもってるだけ

26歳から薬局長を勤めたいち勤め人の思うこと

39日間の整形外科入院中に出会った人々 それぞれの患者から学んだこと

 

入院時、僕は入院していた病院の門前薬局で働いていました。

 

薬剤師をやっていたので、これまでに関わってきた多くの人は職場だったり、

大学の友人だったりするため、交友関係は薬剤関係ばかりになってしまいます。

 

ここでは、

入院中に普段接点がなかった人との出会いについてまとめてみました。

 

 

ラーメン屋で寸胴鍋をひっくり返し、全身火傷の高校生

 

まず最初に出会ったのは高校生でした。

 

両手両足に包帯がぐるぐるまきにされており、

移動はもちろん車椅子ですし、食事をとるのも大変そうでした。

 

ラーメン屋でバイト中、スープの仕込み中の寸胴鍋をひっくり返し、

熱湯を浴びて全身の火傷で救急車で運ばれてきたそうです。

 

治療は整形と言うよりも、形成外科でした。

皮膚になにやらたくさん処置してもらっていましたね。

 

ラーメン屋も一つ間違えれば、

大事故になりかねない職業なんだなと感じました。

大きな寸胴鍋がある職場環境は十分気をつけなければなりません。

 

 

 

ドクターヘリに乗せられてきた少年

 

僕が入院していた病院はドクターヘリが離着陸する病院でした。

 

ドクヘリが飛んでいるのはよく見るのですが、

実際にドクヘリを使用して運ばれてきた人に会うのは初めてでした。

 

彼は大型バイクで北海道の美瑛をツーリング中に、

カーブを曲がりきれず単独で事故を起こしました。

 

運良く、通りすがりの人に通報してもらって助けられたようです。

美瑛は特に開放感があって飛ばしたくなる気持ちもわかります。

 

通りすがりの心優しい人がいて本当によかったと思います。

 

スピードをだいぶ出していたようなので、

自業自得といえばそれまでなのですが。。

開放的な北海道の道路の運転は十分注意したいです。

 

彼はバイクは失ったのに、

ローンだけが残ったと悲しんでいました。

 

 

 

脊柱管狭窄症のお菓子工場のおじさん

 

脊柱管狭窄症の特徴的な症状は長く歩くことができず、

休憩が必要になってしまうことです。

 

歩いては休み歩いては休みを繰り返さなければならなくなります。

他にも痛みやしびれがあらわれます。

 

 

北海道の老舗お菓子屋さんの工場勤務をしており、

この症状は治さなくては業務に支障が出てしまい、

手術を決断したそうです。

 

職場の人がたくさんお菓子を持ってきてくれたので、

お菓子のおすそ分を頂けました。

 

この病気の原因は加齢や過労による背骨の変形が挙げられます。

避けられない病気や事故は必ずあると思います。

 

避けられなかった時に、そのせいで

自分の居場所を失わないような生き方をしたいと感じました。

 

お金の稼ぎ方とか、

何か他にスキルを身につけるだとかやらなければと感じます。

 

 

 

糖尿病もちで頭を機械に挟まれたおじさん

 

農作業をしている時に、何か機械に頭を挟まれて、

右側の視野がおかしいと言っておじさんが入院してきました。

 

整形と眼科の先生が二人で病態を見ていました。

この人は糖尿病を持っていて、

食事制限を受けていました。

 

糖尿病の患者さんは薬局ではたくさん見てきましたが、

実際に入院している患者さんや、

その食生活を間近に見るのは初めてでした。

 

とても気さくな人だったのですぐに仲良くなりました。

まぁ、この人、看護師さんに隠れて

たくさんチョコレートとか甘いお菓子食べるんですよね。。

 

自分も入院中で、薬剤師の仕事をしている訳ではないですし、

これは糖尿病の方は良くはならないだろうなと思いながら、

「内緒な!」と言い、一緒になってお菓子を食べていました。

 

 

基本的に患者に偉そうに服薬指導をする薬剤師ではありませんでしたが、

ずっと食べているので、さすがにどうしたもんかとも考えました。

 

けれど、

お菓子を食べてる時は本当に美味しそうに食べて、凄い笑顔なんですよね。

 

そんな人の入院中のささやかな楽しみを奪うことは果たして

良いことなのかと考えてしまいます。

 

結局、この入院体験以降も

「食べたければ食べたら?先生にちくったりしませんよ」

スタンスの薬剤師でやっちゃってました。

 

 

 

歯医者をしながらバーを経営する青年 

 

次は、北海度の冬道に滑って転んで股関節を骨折した歯医者さんです。

手はなんともないため仕事はできていたようです。

 

昼間は自分の歯科医院の運営、

夜はバーの経営をするパワフルな方でした。

 

お酒が好きで、特にバーボンが好きで、

バーボンを多く取り扱うバーを営んでいらっしゃいました。

退院後にお酒のお世話になりに行きました。

 

好きを仕事にするってこういう事なのかなと思いながら、お話をさせてもらいました。

自分も薬剤師やりながら、何かできるのかなと考える原点だったかもしれません。

 

 

 

最後に

 

入院中には普段出会えないような人と出会えることができました。

 

入院患者にはそれぞれ人生があるのだと実感しました。

それぞれ考えている事も違います。

 

自分に関わりの近い人だけではなく、

全く関わりのない人との接点もこの先あれば大事にしたいと思います。