薬剤師が考えるドライブスルー調剤の正しい使い方
現在、患者ニーズ多様化に伴い、
ドラブスルー調剤なるものが存在しています。
利便性を高めるために設置されていますが、
使い方を間違得ると、利便性どころか、
不便極まりない薬局になってしまいます。
ドライブスルー調剤店舗で１人薬剤師を経験したことのある僕が
上手な活用法をご紹介いたします。
マクドナルドやすき家と同じだと思うな
薬局で待たされるのが嫌で、
薬局を変えたいと思ったことは悪りませんか？
薬局で待ち時間があるのはそれなりの理由があります。
マクドナルドやすき家のようなスピードでは準備できないのです。
まず、根本的な考えを改める必要があります。
薬局とファーストフードのドライブスルーを同じだと考えてはいけません。
歴史の浅いドライブスルー調剤は、ただ外に向けて受付窓口を作っただけです。
マクドナルドやすき家では注文窓口と受け取り窓口は別に設置されています。
マイクで先に注文とって、車が移動している好きに準備するなんてことができません。
注文担当のオペレーターがいたり、システム化や効率化がされている訳ではないのです。
ドライブスルー調剤はただいつもの処方箋受付を、
店内ではなく店外からの窓からできるようにしただけなのです。
初回は薬がないと思え
世の中には数万種類の薬が存在しています。
薬局は世の中のすべての薬を揃えている訳ではないです。
マクドナルドやすき家ではドリンクメニュー合わせても数百種類におさまるはずです。
それくらいの数でないと在庫管理は困難を極めます。
受診した病院やクリニックの隣にある薬局でなければ、
薬の在庫がない可能性があることを大いに理解して欲しいのです。
新規開局の場合、よく使われる有名どころの薬を予想で置いているにすぎません。
誠意ある薬局であれば、時間がかかってでも薬の取り寄せをしてくれるので
時間に余裕がある時に相談をしてみましょう。
初回は薬剤師に協力しろ
調剤薬局の薬剤師は、患者が病院で医師や看護師に話したことを全く知りません。
薬局は薬局の都合で聞き取りをしなければならない事があります。
保険証の確認が最たる例ですが、
最初に聞かれる住所や電番番号、併用薬の有無確認にもご協力下さい。
初回アンケートを「薬を安全に服用して頂くために」とか言って渡されますが、
保険請求のために必要だっていうのが本音です。
そして、
処方せんを見ただけでは判断がつかないこともあります。
患者本人のジェネリック医薬品への変更の意思がそうです。
勝手に変えてしまうと文句を言われるし、
変更の希望を聞かないと安い方が良かったと言われ、
さらには薬歴の記載事項にもなっていることなので、
保険請求上もアウトになってしまいます。
薬歴とは？患者のためか？金のためか？薬剤師のためか？ - kimamaniyakuzaisiの日記
また、ジェネリック医薬品は１つの先発品に対して
数種類、または数十種類存在しています。
「今まで服用していたものが良い」と言う理由で
ジェネリック医薬品の銘柄を指定してしまう場合は
時間がかかることを覚悟して下さい。
薬局に薬を頼む際は、最低でもジェネリック医薬品への変更の話は
薬剤師と相談して欲しいです。
後々、心地よく利用するためにも最初だけは少し薬剤師に協力して下さい。
薬剤師の人数と今いる患者数を確認しろ
ドライブスルーに処方せんを提出する際に、
窓口に出てくる薬剤師の他に、あと何人薬剤師がいるかも
早く薬をもらえるかどうか重要になってきます。
各薬局は、その日の勤務薬剤師を掲示しなければならないため
薬局内の掲示板や薬局のサイトで勤務薬剤師の数を確認しておきましょう。
薬剤師が複数人いる方が早い傾向はありますが、
１人しかいない場合でも、
店内に他の患者がいない場合に早くもらえる場合はあります。
逆に複数人いても、店内に多勢の患者が入れば遅いこともあります。
店内に誰もいなくても、FAX処方箋を受付ていたり、施設の調剤をしている薬局では薬をもらうまでに時間がかかってしまいます。
こればっかりはその時に確認をするまではわかりません。
FAXを有効活用すべし
初回にFAXだけ送り、薬局に到着して
「まだ、できていないの？」
というのはちょっと厳しいです。
上記にも書いた通り、
最初だけは、薬剤師と薬の相談をしてください。
２回目以降は、同じ薬であればすぐに対応してくれるはずです。
医者に新しい薬を出すとか言われた場合には
薬局に電話して薬の在庫の有無を確認して下さい。
在庫がある場合はそのまま向かえば良いですし、
在庫がない場合は、取り寄せにどれだけ時間がかかるか聞いてみましょう。
または、急ぐ薬ではなければ次の日に取りに行っても大丈夫です。
時間差で受け取りに行く
前項目での、次の日に取りに行くというのと通じます。
処方せんの有効期間は発効日含め４日間あります。
すぐに必要な薬でなければ、日にちをあけて取りに行くと
患者、薬剤師とお互いストレスなく受け取れるはずです。
患者にとっては二度手間になりますが、
日にちをあけなくても、昼に処方せんだけ預けて
夕方取りに行くのもありです。
最後に
以上、６点ポイントをあげてみましたが、
以外は普通の薬局の使い方にも通じるものです。
ドライブスルー ＝ 早い というのは常ではないので
十分気をつけて利用して下さい。
