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5問でマスター!登録販売者試験〈第2章〉胃

 

登録販売者試験において、

〈第2章〉の胃に関する知識は

この記事でマスターすることができます。

 

胃腸薬の学習に入る際には、

基本的な胃の機能がわかっていた方が理解が高まります。

 

薬の知識をしっかり身につけるためにも、

正常な体の状態も把握しておきましょう。

 

 

H28年 北陸・東海〈第2章〉問63

  1. 胃は上腹部にある中空の臓器で、中身が空の状態では扁平に縮んでいる。
  2. 胃の内壁の粘膜の表面には無数の微細な孔があり、胃腺につながって塩酸(胃酸)のほか、 トリプシノーゲンを分泌している。
  3. 胃の粘膜表皮を覆う細胞から粘液が分泌され胃自体を保護しているが、胃液分泌と粘液分泌 のバランスが崩れると、胃液により胃の内壁が損傷を受けることがある。
  4. 食道から送られてきた内容物は、胃の運動によって胃液と混和され、かゆ状となって小腸に 送り出されるまで数時間、胃内に滞留する。

胃の位置と形状

1:○

 

試験では胃が体内のどこにあるかを問われることがあります。

薬売り場に立つと、

 

  • 「お腹が痛い」
  • 「腰が痛い」
  • 「胸が痛い」

 

など様々なお客さんの悩みを聞くことになります。

この時に臓器の場所を覚えておくと、

とても役に立ちますよ。

 

「腰が痛い」と言われたら

筋肉からきている症状なのか

臓器からきている症状なのか

他の症状を聞くことによって絞り込んでいくことができるようになります。

 

ぜひ体における臓器の位置関係も覚えておいて下さい。

 

胃は上腹部にある中空の臓器で、

中身が空の状態では扁平に縮んでいます。

 

 

ペプシノーゲン、トリプシノーゲン

2:×

 

胃から分泌されるものは胃酸ペプシノーゲンです。

 

  • 膵臓:トリプシノーゲンを分泌
  • 胃:ペプシノーゲンを分泌

 

どの臓器から、何が分泌されるのかは

よく問われますので要注意です。

 

 

胃袋内の攻防(胃酸VS粘液)

3:○

 

胃は、胃酸(塩酸)を出しています。

胃酸は消化を助けるためにとても重要なものです。

 

しかし、

胃酸が過剰になってしまうと

胃酸を出している胃自身にもダメージを与えてしまい、

胃痛の原因になることがあります。

 

そこで、

胃は自分自身を守るためにも、粘液を出しているのです。

 

 

胃内に運ばれてきた食べ物の末路

4:○

 

胃に送られてきた食べ物は、

すぐには腸に送られません。

 

胃液による消化は、

腸で栄養分の吸収を受ける前の非常に大切な工程です。

 

消化には炭水化物、たんぱく質、脂質、

それぞれ時間がかかると認識しておいて下さい。

 

 

H28年 大阪〈第2章〉問62bc

b.ペプシノーゲンは胃酸によって、タンパク質を消化する酵素であるペプシンとな り、胃酸とともに胃液として働く。

c.胃酸は、胃内を強酸性に保ち、内容物が腐敗や発酵を起こさないようにする役目 を果たしている。

タンパク質分解酵素ペプシン

b:○

 

ペプシノーゲンにはタンパク質分解作用がありません。

 

塩酸の作用により、

ペプシノーゲンからペプシンになって初めて

タンパク質を分解する能力を発揮します。

 

 

胃内に置ける酸の腐敗、発酵抑制作用

c:○

 

酸には腐敗や発酵を抑える作用があります。

身近な例で言えば、しめ鯖が良い例ですね。

 

酢(酢酸:酸の一種)で〆ることによって

鯖が痛みにくくなります。

 

また、

腐敗の原因は細菌などの微生物によるものです。

 

多くの微生物は中性環境下でその働きを発揮しますが、

胃酸のような強酸性環境下では働けなかったり、死滅してしまいます。

 

胃酸で死滅せず、

生きたまま腸まで届く乳酸菌って強靭ですよね。

 

 

 H28年 九州・沖縄〈第2章〉問22アイ

ア 胃の粘膜の表面には無数の微細な孔があり、胃腺につながって塩酸(胃酸)のほか、ペプシノーゲンなどを分泌している。

イ 食物の胃内の滞留時間は、脂質分の多い食品の場合には比較的短く、炭水化物主体の食品の場合には比較的長い。

胃における分泌物

ア:○

 

分泌物に関する問題は何度も出題されます。

胃からは塩酸ペプシノーゲン

分泌されることをしっかりおさえて下さいね。

 

 

食物の胃内滞留時間

イ:×

 

胃内滞留時間は短い順に

炭水化物<タンパク質<脂質 の順です。

 

感覚的には、

サッカーなど運動の試合前には

吸収の良いバナナやおにぎりなどの炭水化物(糖質)を摂取していますよね。

 

油っこいものをたくさん食べると、

「胃がもたれた」と言います。

 

それだけ脂質は消化に時間がかかり

胃に負担がかかっている、と考えれば

この順番に納得していただけるかと思います。

 

 

H27年 北関東・甲信越〈第2章〉問42

  1. 食道から内容物が送られてくると、その刺激に反応して胃壁の平滑筋が収縮する。
  2. タンパク質がペプシンによって半消化された状態をペプシノーゲンという。
  3. 胃酸は、胃内を強酸性に保って内容物が腐敗や発酵を起こさないようにする役目を果たしている。
  4. 胃液による消化作用から胃自体を保護するため、胃の粘膜表皮を覆う細胞から粘液が分泌されている。

胃の動きをつかさどる平滑筋

1:×

 

前出の問題で、

胃は空の時は偏平に縮んでいるとありました。

 

これ以上収縮しては、

食べ物を受け入れることができません。

 

食道から内容物が送られてくると、

胃はそれを受け入れるべく

弛緩し容積が広がります。(胃適応性弛緩)

 

弛緩収縮の違いにくれぐれもご注意ください。

 

 

ここでもう1点ポイントは平滑筋です。

 

骨格筋でも心筋でもありません。

消化管を動かすための筋肉は平滑筋と覚えて下さい。

 

 

タンパク質が半消化された状態はペプトン

2:×

 

  • 「タンパク質」ペプシンによって「ペプトン」になる。
  • ペプシノーゲン」「塩酸(胃酸)」によってペプシンになる。
  • 「トリプシノーゲン」「膵液」によって「トリプシン」になる。

 

「○○」は「○○」によって「○○」になる。

このような出題パターンに注意してください。

 

体内では多くの成分の分解生成が行われています。

何が何になるのか1つ1つおさえていきましょう。

 

 

胃酸の腐敗、発酵抑制作用

3:○

 

腐敗と発酵の違いを説明できますか?

とっても簡単に解説すると、

微生物によって

 

  • 糖類が分解されるのが発酵
  • タンパク質が分解されるのが腐敗

 

詳しくはもっと解説が必要となってしまいますので、

ここでは軽い説明にさせていただきますね。

 

 

粘液による胃の保護作用

4:○

 

胃酸VS粘液として説明をさせていただきました。

胃粘液は胃自身を守っていると覚えて下さいね。

 

 

H27年 近畿5県〈第2章〉問62cd

c. 胃酸は、胃内を強酸性に保って内容物を発酵する役目を果たしている。

d. 胃粘液に含まれる成分は、小腸におけるビタミンB12の吸収に重要な役割を果たしている。

胃酸は強酸性

c:×

 

何度も出題されています。

胃酸強酸性による作用をお忘れなく。

 

アルカリ性ではありませんよ。

 

 

ビタミン12の吸収を助ける内因子

d:○

 

胃粘液に含まれる、

小腸でビタミンB12の吸収を助ける成分

これを「内因子」と言います。

 

薬剤師の国家試験にも出題されています。

「胃」

「ビタミンB12吸収促進」

「内因子」

この3点セットで覚えてしまいましょう。

 

 

まとめ

 

5問の問題を解いてきて、いかがだったでしょうか?

これで登録販売者試験問題作成に関する手引き

〈第2章〉胃のパートは完璧です。

 

試験作成者は、手を変え、品を変え、

出題方法を変えてきますが、

落ち着いてみればこの5問と同じです。

 

安心して胃を攻略してくださいね。

 

 

 

 

 

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