3問でマスター!細かな分類に惑わされるな!登録販売者試験〈第2章〉筋組織
登録販売者試験において、
筋組織はどのような分類がされているのか
を問われることが多いです。
どんな分類方法があるのか理解し、
それぞれの筋組織の特徴を把握することで
点数の取りこぼしが防げる分野になります。
筋組織における選りすぐりの3問を厳選いたしました。
この記事で筋組織に対する知識を習得することができますので、
しっかりと問題と解説を読んで頂けると嬉しいです。
H28年 北関東・甲信越〈第2章〉問51
筋組織の分類
a:○
筋組織は機能や形態によって3種類に分けられます。
「骨格筋」
「平滑筋」
「心筋」
この3種類の特徴と分類を、
問題を解きながら学習していきます。
筋繊維を顕微鏡で見たときの分類
b:○
筋肉は見た目で分類することができます。
顕微鏡で見たときに横縞模様があるか、ないかです。
- 横縞模様がある:「骨格筋」「心筋」(横紋筋と呼ばれます)
- 横縞模様がない:「平滑筋」
自分の意識で動かせるかどうかによる分類
c:×
自分の意識で動かすことができる筋肉を随意筋と言います。
自分の意識で動かすことができない筋肉を不随意筋と言います。
- 随意筋:「骨格筋」
- 不随意筋:「平滑筋」「心筋」
自分の体で想像してみましょう。
あなたが歩いたり、座ったり、箸を持ったりするのは
意識的に骨格筋をコントロールして行っているのです。
これが随意筋です。
意識して食べ物を食道から胃に送り出ていますか?
意識して心臓を動かしたり、
意識して食べ物の消化をする人はいますか?
自分でコントロールできないのが不随意筋です。
神経支配による分類
d:×
筋組織は神経からの指令によって収縮します。
筋肉を支配する神経は2種類に分類されます。
体性神経系と自律神経系です。
体性神経系とは、
意識的に体を動かしたり、
痛み・匂いなどを感じる知覚を担う神経です。
自律神経系とは、
無意識的に働いて、
呼吸をしたり、心臓を動かしたり、身体機能の維持を担う神経です。
- 体性神経系(随意筋):「骨格筋」
- 自律神経系(不随意筋):「平滑筋」「心筋」
自分の意識で動かせるかどうかによる分類と同じですね。
筋組織の分類は非常に間違いやすいですので、
注意が必要です。
H28年 大阪〈第2章〉問75
- 腱 は結合組織のみでできており、関節を構成する骨と関節を動かす骨格筋をつな いでいる。
- 骨格筋は、随意筋であり、疲労しやすく長時間の動作は難しい。
- 不随意筋である心筋では、筋線維を顕微鏡で観察しても骨格筋のような横縞模様 は見られない。
腱の役割
a:○
腱は結合組織です。
骨と筋肉を繋いでいます。
「腱は、筋組織と同様に、筋細胞及び結合組織からできている」
と言った引っかけ問題にご注意ください。
筋肉の収縮力と持久力
b:○
随意筋の骨格筋は、
疲労しやすく長時間の動作は難しいです。
私たちは永遠に走り続けることはできず、
疲労を感じます。
また、
腕立て伏せを無限に続けることもできません。
しかし、
不随意筋の平滑筋と心筋は、
疲れたなんて言ってはいられません。
心臓の筋肉が止まった途端に
私たちの生命は危ぶまてしまいます。
心臓は力強く、絶えず動き続けてくれています。
心筋は強い収縮力で持久力を兼ね備えています。
消化管の筋肉が
「今日は具合が悪いので部活動休みます」的なノリで、
「今日は具合が悪いので消化活動休みます」とはならないのです。
平滑筋は比較的弱い力で持続的に収縮します。
具合が悪くても、
心臓や消化管は動き続けてくれているのですね。
筋肉の分類総まとめ
c:×
筋肉の分類、最終確認です。
- 骨格筋/随意筋/横縞模様あり/体性神経系/持久力なし/収縮力強い
- 平滑筋/不随意筋/横縞模様なし/自律神経系/持久力あり/収縮力弱い
- 心筋/不随意筋/横縞模様あり/自律神経系/持久力あり/収縮力強い
H28年 四国〈第2章〉問70
- 骨格筋は、関節を構成する骨に腱を介してつながっている。腱は、結合組織の みでできているため、伸縮性はあまりない。
- 骨格筋の疲労は、運動を続けることで、エネルギー源として蓄えられているグリコーゲンが減少し、酸素や栄養分の供給不足が起こるとともに、グリコーゲン の代謝に伴って生成する乳酸が蓄積して、筋組織の収縮性が低下する現象である。
- 平滑筋は、消化管壁、血管壁、膀胱等に分布する随意筋であり、比較的弱い力 で持続的に収縮する特徴がある。
- カルシウムは、生体の生理機能に関与する重要な物質であり、微量で筋組織の 収縮、神経の伝達調節などに働いている。
筋組織と腱の組成
1:○
筋組織は、
筋細胞と結合組織からできています。
腱は、
結合組織のみでできています。
また、
筋組織は伸縮性がありますが、
腱は伸縮性がありません。
骨格筋の疲労の原因
2:○
昔、体育の授業でグラウンドを100m
全力で走りきったことを思い出してください。
授業後に教室に戻る時の階段が、だるくて仕方がない。
朝の通学時に普通に登っていたのに。。。
あれがまさしく骨格筋が疲労している状態です。
この時、
筋組織内では酸素や栄養分が枯渇しており、
乳酸が溜まった状態です。
筋組織の収縮性も低下しています。
平滑筋の分布
3:×
平滑筋は意識的にコントロールできない不随意筋でしたね。
平滑筋は
消化管壁、
血管壁、
膀胱、
等に分布しています。
ここで、
「消化管と血管は意識的にコントロールしていないけど、
膀胱からは意識的にコントロールして排尿しているじゃないか!」
と思うかもしれません。
ここに注意ポイントがあります。
意識的な排尿は膀胱ではなく、
調整されているのです。
膀胱は無意識に自律神経によって、
収縮が調整されています。
この自律神経の乱れが1つの原因となって、
「過活動膀胱」という病態になることがあります。
排尿に関する悩みは店頭でよく耳にします。
病態についてもしっかり把握しておきましょう。
膀胱は自律神経支配の平滑筋であると覚えておいてくださいね。
筋組織とカルシウム
4:○
カルシウムと聞いたら、
骨や歯を丈夫にするミネラルと言う印象が強いかと思います。
カルシウムは筋組織にとってとても重要な成分で、
カルシウムなしには筋肉を収縮することができないのです。
カルシウムには他にも、
神経の伝達物質として
使用されることもあるので覚えておきましょう。
まとめ
筋組織についての理解は深まったでしょうか?
とにかく筋組織はたくさん分類しなければなりません。
繰り返し問題を解くうちに
パターンは決まっていることがわかってきますよ。
また、
自分の体と照らし合わせることによって
強く定着させる事ができます。
普段自分の体の中でどのようなことが起こっているのか
ということをぜひ想像して問題を解きススメて下さい。
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