やくざいしめんきょもってるだけ

26歳から薬局長を勤めたいち勤め人の思うこと

患者には何が不利益か?処方せん付け替え問題を考えてみた。

 

なにやら薬業界は

薬歴未記載問題の次は、

処方せんの付け替え問題が熱いようです。

 

どちらの問題にしろ、患者にとっては

少し窓口の負担金が変わる程度で

大した関係のないことなのかなと思います。

 

 

 

別に驚かなかったよ

 

ニュースになっても特に驚くこともなかったですね。

 

「まぁ、そうやれば点数稼げるよね。」

「やっちゃったね。」

「誰がタレ込んだんだろう??」

 

程度なものです。

 

予想していたわけではないけれど、

想定の範囲内の不正と言ったところでしょうか。

 

利益至上主義の薬局は次から次へといろんな手段を考えつくものです。

売上を詰められ困った薬局長が単独でやったのではなく、組織ぐるみでやっているのですから世も末ですね。

 

 

調剤基本料仕組み解説

 

一応、なにが問題だったか解説します。

 

簡単に言うと、薬局に利益が出るように、

処方せんの受付をグループ薬局間でちょろまかしたんですね。

 

実際に処方せんを受けた薬局で、受けてないことにしたり、

実際に処方せんを受けてないのに、受けたことにしたり、

です。

 

特定の医療機関の処方せんばかり集中して受けていると

減点されてしまう保険の仕組みになっています。

 

その集中率や受付回数を意図的に操作したんですね。

チェーンなどで何件も薬局があるからこそできる技です。

 

 

これをすることによって最低でも

16点の差が生まれます。

 

16点といえば160円です。

患者にとっては1〜3割負担なので10円〜50円程度となり

ほとんど気づかないかもしれません。

 

しかし、

 

会社にとっては1件につき160円なので、

1日100件くる薬局だとしたら1ヶ月で

100件×22日×160円=352000円

 

利益がまるまる35万円以上なくなってしまうことになるのです。

処方せん枚数が増えるともっとです。

 

患者にとっては薬局で負担金が減るのであれば良いことなのですが、

この損失は会社からするとたまったものではないのですね。

 

今回の問題は薬局が利益しか追求していなかった結果であって、

患者にとっては全く関係のない話なのです。

 

 

**追記**

この点数は2年おきに改正されます。

月日が経ちますとこの差は変化してしまいますので、最新の調剤報酬点数表を参考にして下さい。 

 

 

みんな疲弊してんな

 

薬局長はみんな会社の首脳陣にプレッシャーをかけられ続けています。

売上前年比とか、調剤報酬の改正で減った分をどうプラスにしていくか等

数字を求められているのです。

 

売上の達成ができなければ対策書の提出です。

会社は患者の健康なんて望んでいません。

みんな健康になってしまったら薬局は潰れてしまいます。

 

 

薬局長やその上のエリアマネージャーあたりが

毎日、大層なストレスにさらされているのではないかと心中お察しします。

 

きっと上層部の圧力に耐えに耐えかねて、

点数の調整に走ってしまったり、

 

それを許せなかった人が内部告発したり、

企業内のそれぞれの思惑を勝手に想像してしまいます。

 

 

 

次は薬局からなにが出てくるか

 

点数のちょろまかしくらい大したことないと感じてしまいます。

 

そのうち、今まで表に出ずもみ消してきた

薬を間違って患者を入院させたとか、

全く違う薬を調剤したとか、

もっと大きな問題が表に出てくるのではないかと考えます。

 

いつ、どこで、どんな内部告発が起きるかとか、

気になって仕方がないですね。