やくざいしめんきょもってるだけ

26歳から薬局長を勤めたいち勤め人の思うこと

社内ニート。毎日の日課は薬品庫でお昼寝。とあるチェーン薬局長の生態。

 

僕は社内ニートになりました。

 

こうなりたいという憧れの先輩や上司がいる訳でもなく

将来この会社に居続け、働く意義も見出せずにいました。

 

  

転職する気も起きない

 

「薬剤師飽和」だ「薬剤師過剰になる」だの叫ばれる薬剤師業界。

北海道の地方都市ともなると、そんな話はどこ吹く風。

薬剤師の仕事は選ばなければすぐに見つかります。

 

薬剤師ってどこに行けば余っているんですか??

と、逆に聞きたいくらいです。

 

辞表を出したことがいろんな人に知れると、

決まって

「次はどこに行くのですか?」

と聞かれます。

 

こちらもおきまりの回答は

「いや、しばらく働かないです。」

 

次に、また決まって言われる言葉は

「薬剤師の資格持っているのにもったいない。」

です。

 

逆に

「薬剤師の資格持ってるのに、なんでそんな無理して休みの少ない会社で働かなくちゃならないの」

と思います。

 

皆さん本当に勤勉で何よりです。

 

曲がりなりにも9年間勤め上げ、

酒もタバコもギャンブルもしない30代独身男。

明日生きるためのお金に困っているわけでもありません。

 

いつでもどこでも働けるのであれば

働かないで好きに過ごす期間があっても良いのではないかと思います。

 

 

 

薬剤師免許は絶大

 

薬剤師不足の地域では、その薬剤師の人間性うんぬんより、

その人間が持っている薬剤師免許が最も重要となります。

 

言ってしまえば免許を持ってれば誰だって良いのです。

 

どこのどんな能力だかかわからん派遣薬剤師のために

時給7500円を派遣会社に支払う世界がそこにはあります。

 

こんな世界があるのに、なんで毎回お酒の席で

会社の愚痴をこぼしながら、その会社にしがみつかなければならないのだろう

と考えてしまいます。

 

「仕方ない」とか

「そういうものなんだよ」とか

 

その会社にしか務めたことがない上司の発言は

全くもって心に響きませんでした。

 

 

それと、人事部は何を考えているのでしょうか?

派遣薬剤師にいくら支払ってるかわかる書類を

いち薬局長に見せてはいけないのではないかと考えます。

 

正社員でいることによっぽどのメリットがない限り、

派遣社員への支払い書類をみたら腐ってしまう人が出てもおかしくないのではないしょうか?

 

 

 

簡単には辞めれない

 

こんな地域に暮らしていると、

やすやすと薬剤師免許を退職させたがりません。

 

あの手、この手で免許を死守しようとします。

 

 

ここから社内ニート生活のスタートです。

 

まず、単純にこれまで担当していた業務をすべて担当から外されます。

 

具体的には地区30店舗の集計業務や、薬剤師の応援配置の決定、

店舗改装作業の手伝いなどです。

 

そして、新しくオープンし、ほとんど患者がこない店舗に異動となります。

事務員もいない、薬剤師ただ1人の郊外型薬局です。

 

すき家でいうと「ワンオペ」ってやつですね。

 

免許持っている人さえ入ればこんな店もオープンできてしまうのは、

チェーン薬局のとても良いところの一つです。

 

最初に赤字垂れ流そうが他の店舗で黒字取れていれば、

こんな店もオープンできてしまうんです。

 

薬局も「ワンオペ」ブームに乗っかるのでしょうか。

 

万年赤字垂れ流しても、

「○○部長が立ち上げた店だから潰せない」とか

訳のわからないことを、上司は平気でおっしゃります。

せめてもの大義名分で「地域医療の確保」とくらい言って欲しいものです。

 

話が逸れましたが、

ある程度一人でできる薬剤師で、忙しくない店を希望する薬局長にとっては

夢のような環境だったかもしれません。

余計な仕事もなく、ただ店だけ回すだけで良いなんて楽なものです。

 

 

 

社内ニートの日常

 

まず店を開店させます。

とりあえず店を開けないと、懲罰ものになってしまします。

 

まぁ、かたっぱしにいろんな機器の電源ボタンをOnにするだけです。

 

薬局に馴染みのない人はわからないかもしれませんが、

薬局内って意外と様々な機器が置いてあって、電気がないと運営できないほどです。

ほとんどの患者は知らない!てか知ったところでなんの恩恵もない!薬局のハイテク化 - kimamaniyakuzaisiの日記

 

 

そして、上層部より認定薬剤師を社員全員取得しろというおったしがあり、

eラーニングを社内パソコンで垂れ流します。

 

もちろん聞いてはいません。

一通り流し終わったら、最後の確認問題をポチポチするだけです。

 

この問題は何回でもやり直せるので、

○×メモをしておけば、2回目で全問正解で合格できてしまいます。

 

認定薬剤師って一体なんなんだろう。。。

eラーニングを主催をするところが儲かる仕組みなんでしょう。

 

 

さて、店をオープンさせたら後は患者さえこなければ自由時間です。

 

 

 

読書、昼寝、ネットサーフィン

 

毎日、何かしらの本を読みました。

自己啓発系、ビジネス系、小説

社会人になって一番、本を読んだかもしれません。

 

本を読んで眠くなったら、

薬品庫に椅子を二つ並べて寝ます。

 

患者が来たら、だいたい足音で起きますし、

受付に呼び出しベルを設置しておいたので、

だいたいなんとかなります。

 

昼寝から起きたら、自分で持ち込んだPCでネットサーフィン三昧です。

社内PCはログが残ってしまうので、私的には使用できません。

 

その時のネットサーフィンの内容はこちらの記事にある通りです。

kimamaniyakuzaisi.hatenablog.com

 

いったい、毎日、薬局に何しに行ってたんでしょうか?

誰にも何も言われない、いや言わせない。

社内ニート最高です!!

 

こんな生活でお給料もらえてしまうとか、

本当に今まで真面目にやってきたのが馬鹿馬鹿しくなってしまいます。

 

全国の売り上げのない店に配属されると、

こんな素晴らしい生活ができるのかと9年目にして初めてわかりました。

 

 

 

終焉の時

 

社内ニートで過ごしたのは半年ほどです。

 

結構、良い生活ができていたのですが、

究極、朝起きて出勤することすら苦になり始めます。

 

 

もともと働く意義は見出せなていませんでしたが、とうとう末期状態です。

 

こんな状態でいつも通り昼寝をしていると、

いつも起きるはずの足音にも気づかずに寝続けてしまいます。

 

受付ベルも鳴らさず、

薬品庫まで入ってこられたらどうしようもありません。

 

こういうタイミングで本部長に発見されます。

もうこれは、自分で呼び寄せた運命ですね。

 

本部長は僕に声をかけずに薬局を後にしました。

 

 

翌日、

あの手この手で退職を阻止しようとしていた

エリアマネージャーが一瞬で手のひらを返しました。

辞表の受理を表明され、社内ニートに終止符を打つことになるのでした。

 

後日耳にしましたが、本部長はエリアマネージャーに相当な怒りをぶつけ、

そのエリアマネージャーもまもなく退職したそうです。

 

 

PS.

まだまだこの地域では派遣を募集しています。

派遣薬剤師を考えている方はチャンスですね。

 

時給も高いし渡航費、家賃、光熱費まで出してくれるとか羨ましい限りです。

正社員薬局長よりも待遇が良いので、短期を考えているのであれば条件は良いと考えます。