ほとんどの患者は知らない!知っても恩恵はない!薬局のハイテク化
薬局内でどんな業務が行われているかご存知でしょうか?
この記事を読んだら、これまでの薬局のイメージが変わるかもしれません。
調剤室がガラスで仕切られ、患者待合室から薬剤師が何をしているのか
見える薬局が増えてきているかもしれません。
多くの人が調剤室で薬剤師が何をやっているのか気になっていることと思います。
イメージとしては、
棚から薬を取ってきて揃えたり、
粉薬を混ぜたり、
シロップ混ぜたり、
軟膏をヘラで混ぜ合わせたり、
これくらいは想像ができるでしょうか?
現在、薬局ではこれらの作業をすべて機械がやってくれるようになってきています。
ここでは薬局のハイテク機器の紹介をしたいと思います。
全自動PTPシート払い出し装置
PTPシートとは、普段もらう10錠とか14錠とか
1枚になってるシートの事を言います。
薬局には数千種類の薬が、棚にところ狭しと並んでいます。
薬はアイウエオ順だったり、薬の効能別だったりと整理されているのです。
薬剤師は処方せんを見ながら、あっちの棚へ行き、こっちの棚へ行きを
繰り返し、薬を揃えていたのです。
現在では、この機械にPTPシートをセットしておくと、
処方せんをパソコンに入力すると、その指示通りに薬を揃えてくれるのです。
頭の良い機械で、1錠や2錠といった端数も切り取ってくれますし、
薬がなくなったら補充しろと教えてくれます。
セットできる薬には限りがありますが、
その薬局内でよく使われる薬を入れておけば
薬剤師は薬局中を歩き回らずに済むのです。
散薬調剤ロボット
小児科の薬や風邪で粉薬を何種類も混ぜて処方された場合には、
薬剤師は、その粉薬の入った瓶を1つ1つ選び取って、
1つ1つ測って混ぜわせて行きます。
アスベリン散、アスベリンDsなど似たような名前の薬が多い中、
間違えずに調剤し続けるのは結構神経を使います。
混合の作業は結構時間がかかります。
粉薬の種類が多ければ、多いほど時間がかかります。
しかし、
今はこの機械があれば、全自動PTPシート払い出し装置同様に
処方せんをパソコンに入力さえしてしまえば、
全部、機械が分量を測って一包一包粉薬を作ってくれてしまうのです。
昔はヘラを使いながら、全日数ぶん均等になるように
手仕事で粉薬を作っていました。
そんな時代と比べたら革命的な機械が誕生しているのです。
水剤分注装置
錠剤、粉薬ときたら、次はシロップ剤・水剤です。
シロップも粉薬と同様これまで薬剤師が
一つ一つ、目盛りのついた計りでメニスカスがどうのこうのと見ながら
量っては混ぜ、量っては混ぜてを繰り返していました。
水剤の手間がかかるポイントは、
- 処方せん上で計算し、出来上がりは何mLなのか考えて水剤ボトルを選ばなければならない。(30mL,50mL,100mL,150mL,200mL,300mL,500mL等、多種類のボトルが存在する)
- 水剤が1日3回の指示などでちょうど割り切れない場合、割り切れるように水を追加してやらなければならない。
- ボトルに患者氏名や1回の服用量を記載したシールを作成し、貼らなければならない。
以上3点が手間のかかるポイントとして考えられますが、
この水剤分注装置はすべてをやってくれます。
水剤ボトルは勝手に選んでくれますし、
自動計算して割り切れるように調整してくれます。
服用方法を記載したシールも作成してくれるので、
最後に確認をして貼るだけです。
至れり尽くせりです。
水剤分注装置さまさまです。
なんて便利な世の中になってきているのでしょう。
軟膏練り機
最後に、軟膏を練り合わせる機械をご紹介致します。
これまで軟膏を混ぜるといえばこれでした。
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この板とヘラをアルコール消毒して、
混ぜたい軟膏を量りとって、
ヘラでネリネリしていました。
100gの混ぜとか、処方せんには平然と書かれていますが、
これ結構な重労働なんです。。。
混ぜるの下手な人間がやると、均一にならずマーブルになりますし、
冬寒くなると、軟膏も冷えて硬くなってしまい、なかなか混ざり合わなくなります。
そこで登場したのはこちらの軟膏練り機です。
少し大きめの容器に混ぜたい軟膏を入れるだけです!
あとは機械のスイッチ一つ押せば、
遠心力で軟膏を混ぜ合わせてくれるのです。
最後に
ここ数年で、薬局を取り巻く調剤機器は目覚ましい進化を遂げてきました。
これらの機械のおかげで薬剤師の業務は飛躍的にスピードアップされて
いるのではないかと考えられます。
しかし、この恩恵を受けている人がどれだけいるでしょうか?
「あの薬局で薬もらうのとても早くなったな」
と感じる人はどれだけいたでしょうか?
機械を導入した会社は表向きは
「薬を作る作業は機械で短縮をし、薬剤師は患者様と接する時間を多く取れるようにしている。」
と主張するかもしれません。
現場の薬剤師は
「この機械で業務が改善すると会社は思っているから、きっと人員の補充はないんだろうな。人件費削減もここまで来たか。機械化ですべてがうまく回るわけでもないんだけどな。」
と思っているかもしれません。
実際、患者にとっては会社や薬剤師個人の主張は関係ありません。
この機械化の恩恵を受けて、一人でも多くの人が幸せになれたら、
機械も本望なのではないかと考えます。
どうしても、薬局が薬を出すのが遅くてクレームを入れたい場合は
こちらの記事をご参考下さい。