4問でマスター!登録販売者試験解説〈第2章〉消化器系導入部
登録販売者試験において、
消化器系の問題は
口腔から肛門まで細かくパートに分かれています。
ここでは、
各パートへの導入部分である
消化管全体の分類と消化器系の2つの機能
についての解説を行います。
この記事を読むことにより、
消化管と消化腺の違いがわかり、
その機能の違いを理解し、
1文字違いの引っ掛け問題に迷わず回答できるようになります。
H28年 北関東・甲信越〈第2章〉問41
消化管の分類
×:1.消化管には、口腔、咽頭、食道、胆嚢が含まれる。
○:2.消化管には、胃、小腸、大腸、肛門が含まれる。
消化管とはその名の通り『菅(かん、くだ)』のことです。
口から肛門までの食べ物の1本の通り道です。
1本道であり、途中でどこかに寄り道したりすることがありません。
想像してみて下さい。
口に入った食べ物は、
まず喉を通り、
食道を降りて、
胃に入ります。
その後、小腸、大腸を周り、
肛門から体外に排出されます。
この1本の通り道にないものは消化『管』ではありません。
消化腺の分類
×:3.消化腺には、唾液腺、腎臓が含まれる。
○:4.消化腺には、肝臓、膵臓が含まれる。
次に消化『腺』とは、
食べ物の消化に必要な消化液(消化酵素を含む)を
消化『菅』に供給する器官です。
- 唾液腺:口の中で唾液を分泌します。
- 肝臓:胆汁を産生し、胆嚢に蓄え、十二指腸に分泌します。
- 膵臓:膵液を十二指腸に分泌します。
ポイント:消化腺は必ず消化管に隣接している
腎臓は消化腺には含まれないことがわかりますね。
腎臓は食べ物の通り道ではなく、血液の通り道なのです。
腎臓には心臓から拍出される血液が
腎動脈から入り、腎静脈から出て行きます。
よって、腎臓は消化管でも消化腺でもありません。
消化『管』と消化『腺』の1文字違いで
引っかけ問題が出題されています。
小さな違いではありますが注意して見てくださいね。
H28年 近畿5県〈第2章〉問61 abc
- 食道、胃、肝臓は消化管に、小腸、胆嚢は消化腺に分類される。
- 消化管は、口腔から肛門まで続く管で、平均的な成人で全長約9mある。
- 口腔における咀嚼や、消化管の運動などによって消化管の内容物を細かくして消化液と混和し、化学的消化を容易にすることを機械的消化という。
消化管と消化腺の分類
×:1.食道、胃、肝臓は消化管に、小腸、胆嚢は消化腺に分類される。
先ほど説明したので引っかかってないですよね?
- 肝臓は消化管ではありません。消化腺です。
- 小腸は消化腺ではありません。消化管です。
この1文字違いは要注意です。
消化管の長さ
○:2.消化管は、口腔から肛門まで続く管で、平均的な成人で全長約9mある。
長いですよね。
成人の体はだいたい140〜180cm
(200cmを超える人もいますが。。)
この体の中に900cmもの菅が
綺麗に折りたたまって入っているんですね。
この9mの消化管の中で食べ物は
分解され、吸収されて、栄養分になっていきます。
化学的消化と機械的消化
○:3.口腔における咀嚼や、消化管の運動などによって消化管の内容物を細かくして消化液と混和し、化学的消化を容易にすることを機械的消化という。
ここでは化学的消化と機械的消化の
違いを抑えておきましょう。
H28年 九州・沖縄〈第2章〉問21. 1
- 消化器系とは、飲食物を消化して生命を維持していくため必要な栄養分として吸収し、その残滓を体外 に排出する器官系である。
消化器系とは
○:1.消化器系とは、飲食物を消化して生命を維持していくため必要な栄養分として吸収し、その残滓を体外 に排出する器官系である。
このまま覚えてしまって下さい。
消化器系の部分を、呼吸器系、循環器系と変えられても引っかけられないで下さいね。
H27年 大阪〈第2章〉問61 a
- 消化には、消化腺せんから分泌される消化液による機械的消化と、咀嚼そしゃく(食物を噛み、口腔内で粉砕する こと)や消化管の運動による化学的消化とがある。
化学的消化と機械的消化
×:1.消化には、消化腺せんから分泌される消化液による機械的消化と、咀嚼そしゃく(食物を噛み、口腔内で粉砕する こと)や消化管の運動による化学的消化とがある。
化学的消化と機械的消化が逆になっていますね。
- 『消化腺』と『消化管』
- 『化学的消化』と『機械的消化』
問題の作成者はこのように対になっているものを、
よく逆にして引っかけようとしてきます。
せっかくわかっているのに、
試験中に慌てて、逆にされていることを
見逃すのはもったいないですね。
しっかり読み込みましょう。
まとめ
この4問によって
登録販売者試験問題作成に関する手引き
の消化器系導入部分は網羅されています。
手引きやテキストをただ読むだけよりも、
問題を解きながら解説を読む方が断然記憶に残ります。
ぜひこの記事で消化器系の導入部分をマスターして下さいね。
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